「就職するのではなく、自分で好きなように働くために起業したい」「今の仕事では満足していないので、新たに起業したい。」そんなことを思っている方も多いのではないでしょうか。実際に起業するにしても、こんなに考えたのにアイデアが浮かばない。。ということがあります。
そこで起業のためのアイデアを出すのに手助けとなるフレームワークやツールをまとめてみました。
この記事を読み終わる頃にはアイデアの出し方がわかるようになると思います。
アイデアとは
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
(『アイデアの作り方』1940年/著:ジェームス・W・ヤング)
アイデアとは全く新しいものを創り出すことではなく、今あるものをどう組み合わせるかを見い出すことであるということです。
また、ビジネスにおけるアイデアは「課題+解決策」がセットになったものをいいます。まずは、課題から見つけて、その後解決策を考えることでアイデアになります。
そのため、ビジネスアイデアを出すためには今ある課題を見つけ出す必要があります。
アイデアはひらめきではなく論理で出す
先程、アイデアは今あるものの組み合わせを見出すことであると言いました。よくアイデアがひらめいたという言い回しを聞いたことがあると思います。
世の中の起業している方々は全員どこかでひらめいたアイデアを元に起業しているのでしょうか。おそらく、ほとんどの方はそのような天才的なひらめきで起業のアイデアを出したわけではないと思います。
では、どのようにしてアイデアを出すのでしょうか。
アイデアは論理で出します!
ひらめきではなく論理です。
つまり、考えて出します。しかし、何もない白紙の状態で考えることは難しいと思います。
そこで役に立つものがフレームワークです。フレームワークを使って考えることで、自分の考えを深めることができます。
それでは、アイデアを出すことに役立つフレームワークを紹介していきたいと思います。
アイデア出しにおすすめフレームワーク
フレームワークに必要なものは基本的に紙とペンがあれば大丈夫です。追加であった方がいいものがある場合はその時に書いておきます。
それではフレームワークを見ていきましょう。
●ブレインストーミング(ブレスト)
(複数人である場合)あった方がいいもの:付箋
アイデア出しの基本中の基本の手法です。アイデア出しは量を出してから、その中で質を求めていくものです。最初から質の高いアイデアは生まれにくいものです。
そこで、この「ブレインストーミング」を使ってアイデアの素材を出しまくります。
もともと「ブレインストーミング」はグループでアイデアを出し合うことを前提として、それぞれのアイデアの素材を組み合わせてアイデアをつくり出すとして考案された方法です。
しかし、本来の想定とは違いますが1人でも「ブレインストーミング」はできます。
○ブレインストーミングのやり方
1.紙の中央に今回考えたいこと(議題)を書きます
2.議題について関係ありそうだと思いついたことを議題の周りに書き出す
3.書き出したもの同士のつながりを考える
○ブレインストーミングのルール
1.判断・結論を出さない
2.すべての考えを歓迎する
3.量を重視する(質より量)
4.アイデアを結合し発展させる
1.判断・結論を出さない
「ブレインストーミング」をしているときは、人の考えを良い・悪いなどで判断したり、この考えが正しいという結論を出したりしないことが重要です。
もしそれをしてしまうと、発言しにくくなったり、考えが発展しなかったりするという悪い影響を与えてしまうからです。
一方で、人が出した考えに対して質問をすることは良いことです。その質問を元にさらに新しい考えが出てくる可能性があるからです。
1人で行う場合も、自分はなぜそう考えたのかと問いかけてみてください。
2.すべての考えを歓迎する
ルール3にある「量を重視する」に関係するのですが、人の考えを否定すると意見が言いにくくなります。それでは「ブレインストーミング」は成り立ちません。
また、一見関係のなさそうなアイデアの素材でも組み合わせ方によって、良いアイデアになることも十分ありえます。
そのため、すべて思いついた考えを、とりあえず書いていくことは重要です。
3.量を重視する(質より量)
アイデアを出すのに質からは難しいです。そのため、まず量を出すことが重要になります。そしてたくさんの素材から質の良いものを選び出したり、組み合わせたりして質をあげていきます。
4.アイデアを結合し発展させる
思いついた素材同士の組み合わせを考えて、新しいアイデアを考えます。また、素材の一部を他の素材のものに変える方法もあります。
「ブレインストーミング」のやり方・ルールについて書いてきましたが、最も重要なことは「自由さ」です。自由にアイデアの素材を出し合って、アイデアをつくりましょう。
●KJ法
あった方がいいもの:付箋・色ペン・広い作業スペース
川喜田二郎氏が考案し、その頭文字を取って「KJ法」と名付けられた方法です。
使い方としては、どこに課題があるのかわからず、その課題を見つけるときに使います。
この方法は、ブレインストーミングの後に用いるのが効果的です。ブレインストーミングで出したアイデアの素材のつながりやアイデアの上下関係(りんごとフルーツならりんごの上にフルーツがある)ということを視覚的にわかりやすくするものです。
○KJ法のやり方
1.アイデアの素材を付箋を書き出す(ブレインストーミングのように)
2.書き出したもの同士共通点があるものをグループ化する
(2をできる限り繰り返す)
3.グループ化したもの同士の関係を考える(図解化)
4.その図解を文章にして説明する(叙述化)
5.3〜4を繰り返す
1.アイデアの素材を付箋を書き出す(ブレインストーミングのように)
ブレインストーミングと同じように思いついたものを書き出します。「KJ法」では、思いついたものを書き出した後に、さらに、思いついたものに関係しそうなことを調べてもいいとしています。
ブレインストーミングと違う点は、後の作業のことを考えて、思いついた考え・調べたことなどを付箋に書くということです。
2.書き出したもの同士共通点があるものをグループ化する
付箋に書き出したものを作業スペースにすべて並べます。
並べた後、全体を見て「なんとなく近いな」と思うものをそれぞれ近くに並べ直します。並べ直した後、最大5枚程度をグループにまとめます。
グループ化した後、新しい付箋に最初に使った色とは異なる色ペンを使ってグループ名を書きます。
さらに、グループ化したもの同士「なんとなく近いな」というものを再度グループ化し、グループ名を書きます。
これ以上グループ化できないなと感じたときに、3に進みます。
3.グループ化したもの同士の関係を考える(図解化)
最大限のグループ化が済んだ後、そのグループ同士の関係を考えます。
矢印でつないだり、丸で囲んだりするなどで関係を表現しましょう。
4.その図解を文章にして説明する(叙述化)
図解化したものを文章にして説明しましょう。文章にすることがすごく時間がかかるという人は、話して言葉にしましょう。
5.3〜4を繰り返す
最大のグループの図解化・叙述化が終わったら、グループを分解してそのグループの中にあるグループの要素について図解化・叙述化していきます。
これを最初に作った付箋まで繰り返すことによって、物事の構造が見えてきます。
●マインドマップ
あった方がいいもの:色ペン
「マインドマップ」はブレインストーミングに近いものです。中心に考えたいことのキーワードを書いてそれに関係しそうなことを、その中心から枝を伸ばし関係しそうなことを書いていきます。ここで注意したいことは「一言で」表せるようにするということです。つまり、長々とした文章ではいけないということです。
文章になってしまうという人は、その文章を分解するとどうなるか考えると一言で表せるようになります。
○マインドマップのやり方
1.紙の中心にキーワードを書く
2.キーワードに関係しそうなことを中心から線を伸ばし、書く
3.関係しそうなことに関係しそうなことをさらに書き続ける
4.絵などで装飾する(マインドマップの内容を覚えやすくなるらしい)
●5回なぜを繰り返す(なぜなぜ分析)
5回なぜを繰り返す方法です。通称「なぜなぜ分析」と言われているものですが、これではなぜが2回ではないかと感じて、この「5回なぜを繰り返す」という言い方にしています。ちなみに5回というのは絶対ではないですが、深みを持たせれるぐらいです。
やり方は簡単で1つの課題に対してなぜを繰り返して答えるだけです。
例
商品の売れ行きが悪い
なぜ↓
競合の製品ばかり売れている
なぜ↓
他社製品の方が価格が安い
なぜ↓
自分たちの商品の方が輸送業者が多い
なぜ↓
消費地と工場の距離が遠い
なぜ↓
昔の消費地からは近かったが、メインの消費地が変わってしまった
商品の売れ行きが悪いことの原因の1つが見えてきましたね。この問題を解決するためには工場を移転する方が良さそうです。
このように5回なぜを繰り返すことによって、最初は見えていなかった原因に辿り着くことができ、その解決策を考えることができるようになります。
●マンダラート
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/02/02/kiji/K20130202005110330.html
「マンダラート」はメジャーリーガーの大谷翔平選手が高校生のころに使っていたということで有名になりました。
「マンダラート」は目標に向かって何が必要かを明確化するのに役立ちます。
○マンダラートのやり方
1.中心に目標を書く(ドラ1 8球団)
2.目標に必要だと思うことを8つの要素を書き出す(メンタル・キレ・人間性等)
3.8つの要素の8つの要素を書き出す(運の場合:あいさつ・ゴミ拾い等)
4.書き出したものの達成するために行動する
アイデア出しにおすすめ本
●学びを結果に変えるアウトプット大全 (サンクチュアリ出版) 樺沢紫苑 著
さまざまなアウトプットの方法を図解でわかりやすく解説している本です。
●発想法 改版 – 創造性開発のために (中公新書) 川喜田二郎 著
●続・発想法―KJ法の展開と応用 (中公新書 ) 川喜田二郎 著
KJ法を学びたいならこれ!
KJ法考案者の川喜田二郎氏がKJ法について書いた本です。
●新版 ザ・マインドマップ(ダイヤモンド社) トニー・ブザン/バリー・ブザン
マインドマップを学びたいならこれ!
マインドマップ考案者のトニー・ブザンとバリー・ブザンが書いた本です。
アイデア出しにおすすめツール
基本的に紙とペンがあればできるフレームワークですが、デジタルでもできるようにさまざまなサービスがあります。
それらを紹介していきたいと思います。
●Mind Meister
Mind Meister はマインドマップを行うのに最適なツールです。様々なテンプレートがあり、用途によって様々な使い方ができます。
●Mandal-Art
Mandal-Art はマンダラートを作成するiOS専用のアプリです。
●ひとりブレスト
ひとりでブレインストーミングをしたいときに役立つツールです。ひとりブレストにテーマを伝えると次々とそのテーマに対する質問が投げかけられます。それに答えることで思考を深めることができます。
まとめ
アイデアをどのようにして出すのかがわからない人もアイデアの出し方を理解することができたと思います。
あとは、これをめんどくさがらずにひたすら真剣にやり続けることが重要です。
起業や新規事業のアイデアを頑張って考えていきましょう!
アイデアが思い浮かんだが良いアイデアかどうかわからない方はこちらの記事をご覧ください
【起業・新規事業】ビジネスにおける良いアイデアとは?のリンクを貼る
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