起業するときに大事なことの1つとして、自分のアイデアがこれから行うビジネスで本当に使えるかどうかの判断が必要だと思います。
今回は、皆さんのアイデアが良いアイデアであるかどうか判断できるようになるための記事です。
アイデア自体をまだ思い付いていないという方はこちらの記事をご覧ください
ビジネスにおけるアイデアとは?
ビジネスにおけるアイデアには様々なものがあります。儲かるアイデアや最先端技術を用いたアイデア、社会貢献につながるアイデアなどがあります。
例えば、「地域を活性化させるためにイベントを行う」や「発展途上国の労働問題を解決するためにフェアトレードを行う」などです。
これらに共通することは、
・解決したい課題がある
例)地域が衰退している、発展途上国の労働問題
・その課題に対する解決策がある
例)イベント、フェアトレード
ということです。
ビジネスにおけるアイデアは課題+解決策がセットになったものといえます。
起業において良いアイデアの条件とは?
では、たくさんあるアイデアの中で、「良い」アイデアとはどのようなものなのでしょうか。
良いアイデアの条件
- ・課題からアイデアが生み出されている
- ・課題の質が高い
- ・課題に対する解決策の質が高い
●課題からアイデアが生み出されている
良いアイデアの条件として、「解決したい課題からアイデアが生み出されている」ということがあります。一見当たり前のように思えるかもしれませんが、アイデアの多くはそうでない場合があります。
例えば、解決策からのアイデア、製品・サービスからのアイデアなどがあります。
具体的には、
-
・イベントをしたいからイベントを企画する(解決策から)
・超高機能なスプーンを作る(製品から)
などです。
これらのアイデアは、解決したい課題がありません。
つまり、その解決策や製品に対してニーズがあるかわからないのです。
「地域活性化のためにイベントを企画する」と「イベントをしたいからイベントを企画する」のでは大きく違います。
前者は、「地域活性化のため」という課題からスタートしています。地域活性化するための解決策には様々なものがあり、イベントの他にも、子供を育てやすい環境を作ることや大型ショッピングモールの誘致、特産品を全国に広めるなどがあります。その中で、イベントを企画することが最も良い解決策であると判断したということです。
一方で、後者は、ただイベントを企画するというだけで、何のためにするのか、なぜするのかがわかりません。それでは、イベントの方向性や内容を決めることができないので、失敗する可能性が高くなります。
そのため、良いアイデアは解決したい課題からスタートし、その課題の解決のために最も適した解決策や製品を見出していくということが必要です。
●課題の質が高い
良いアイデアは、課題からスタートしていることがわかりました。しかし、その課題が質の高いものでないと良いアイデアとは言えません。
では、課題の質が高いとはどういうことなのでしょうか。課題の質を高めるためにはどうしたらいいのでしょうか。
○課題の質をきめる3要素
-
1.高い専門性
2.業界の知識
3.市場の変化(PEST)に対する理解度
1.高い専門性
そもそも課題を見出すのに高い専門性を持ち合わせていないといけません。
例えば、今あるスマートフォンが使いづらいと感じており、より良いものにしたいと考えているとします。
それを実現するにはスマートフォンの内部構造を熟知しておかなければ、スマートフォンのどこに課題があるのかを見つけることができません。
そのため、質の高い課題は高い専門性に裏付けられたものであると言えるでしょう。
2.業界の知識
課題がある業界について詳しくないとその業界が抱えている本質的な課題に辿り着くことはできません。
「業界がどのような構造をしているのか」「今の業界の一般的なやり方はどのようなものなのか」などについて知っておく必要があります。
3.市場の変化(PEST)に対する理解度
市場の変化について理解しておくことで、仮に変化が起こった時に業界や自分の課題にどのような影響を及ぼすのか予測することができます。
市場を構成する要素で有名なものは「PEST」と言われるものです。
PESTとは、以下のものの頭文字をとったものです。
・P(Politics:政治的要因)
例)法律・条例・規制緩和など
・E(Economy:経済的要因)
例)景気・成長率・物価・為替など
・S(Soiety:社会的要因)
例)流行・ライフスタイル・人口バランスなど
・T(Technology:技術的要因)
例)技術の進歩・革新
起業する際にこのPESTを理解しておくことが重要であると言われています。自分が進出しようとしているところのPESTを理解する手法として「PEST分析」というものがあります。
PEST分析について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください
○課題が自分ごとである
課題の質をきめるもう一つの要素として「課題が自分ごとである」ことが重要です。また、課題の質を決定するだけではなく、課題の質を高めるのにも重要です。
課題が自分ごとでなければならない理由としては、真にその課題に共感できるからです。
課題に対して強い共感があると、その課題の本質は何かと、どんどん課題を磨き上げることが自然とできるようになります。
また、課題への共感がそのまま起業するときのビジョン・ミッションになるからです。ユーザーや起業メンバーなどの関係者はそのビジョン・ミッションに集まるので、自分ごとの課題であることによって自ずとその課題の解決につながるのです。
●課題に対する解決策の質が高い
これまで、課題について注目してきました。しかし、良いアイデアは質の高い課題+質の高い解決策で成り立っています。
質の高い解決策というものは、質の高い課題に対して問いかけ続けることで見出すことができます。
一つの方法として、「現状を考慮せずに必要なものが全て手に入るとしたら、課題をどのように解決しますか?」と考えてみるというものがあります。この問いかけによって出た解決策はあなたにとって最善なものである可能性が高いです。その最善の解決策をどのように実現させるかを考えることで質の高い解決策になるでしょう。
注意したいこととして、「本当にその解決策が最善であるか、代替案はないのか」を常に考え続けなければいけません。
避けた方がいいアイデア
これまでは、良いアイデアについて考えてきましたが、良いアイデアがあるということはそうでないアイデアももちろんあります。
ここでは、避けた方がいいアイデアについて書いていきたいと思います。
避けた方がいいアイデア
・第三者の課題からスタートするアイデア
・誰もが良いというアイデア
●第三者の課題からスタートするアイデア
自分が課題と感じておらず、第三者の課題を解決するためのアイデアは避けた方がいいでしょう。
なぜなら、第三者の課題であると共感しにくいからです。
共感が弱いと、その課題について磨き上げることが難しくなります。つまり、その課題の本質がわからないということになってしまいます。課題の本質がわかっていないと、表面的な課題の解決にしかなりません。それでは、課題を感じているユーザーはついてこないでしょう。
また、課題の共感が弱いとビジョン・ミッションも弱くなるため、周囲からの協力も得にくいという状況になってしまう可能性が高くなります。
●誰もが良いというアイデア
誰もが良いと言うアイデアは、みんなに受け入れられやすく一見自信を持っていいアイデアであると感じるかもしれません。
しかし、誰もが良いというアイデアは他の人もすでに思い付いていると考えた方がいいでしょう。他の人が思い付いているということは、他の企業もその解決策を検討しているということです。
仮に、その解決策を導入すると他の企業も導入し、市場で競争が生まれます。市場で競争が生まれると、アイデア勝負ではなく、どれだけリソース(資本や人員)を割けるかやその製品の価格勝負になると考えられます。
そうなると起業したての企業は負け、大企業が勝つことになるでしょう。
まとめ
今回は、そもそもアイデアとは何かや良いアイデア、避けるべきアイデアについて書いてきました。
良いアイデアは「質の高い課題と解決策」で成り立っていることがわかっていただけたと思います。自分のアイデアは良いアイデアでしたでしょうか。
アイデアが良いアイデアがある場合の次のステップとしてそのアイデアをどのようにして事業化していくかについて考えなければなりません。つまり、アイデア検証の段階です。
アイデア検証についてはこちらの記事をご覧ください
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